胆石について
公立長生病院 外科 花田裕之
人体の中には、胆嚢(たんのう)という胆汁を溜める袋が肝臓の下にくっついており、食物が十二指腸を通過する際に、そこで濃縮された胆汁が十二指腸に流れます。
その袋の中にできた石を胆嚢胆石(略して胆石)といいます。
胆石はその成分によって、胆汁中の色素であるビリルビンを主成分とする石とコレステロールを主成分とする石の二種類に大きく分かれ、日本ではコレステロール石が約60%を占めています。
また、60歳以下ではコレステロール石が多く、それ以上の年齢の方には逆にビリルビン石が多い傾向があります。
コレステロール石ができる要素としては、加齢、肥満、女性、妊娠、過激なダイエット、経口避妊薬、食習慣などが深く関係しており、ビリルビン石は、胆汁の流れが悪くなった所に細菌感染が起こり、石ができると考えられています。
胆石ができても症状の出ない方もいますが、一般的には発熱、 黄疸(おうだん)、みぞおちから右肋骨にかけての痛みなどがでたり、血液検査で黄疸を示すビリルビン値の上昇や肝機能異常を指摘されたりする事があります。
胆石があるかどうかは、腹部超音波検査、腹部CT 、MRI などにより診断できます。胆石に伴う症状の無い方は経過観察をする事が多いですが、症状のある方は何らかの治療が必要で、飲み薬で石が溶けるのを待つ(経口溶解療法)、体に衝撃波を当てて石を砕く[体外衝撃波結石破砕術(ESWL) ]、手術による摘出などの方法を石の種類や大きさによって選択することになります。
手術方法は、少し前までは上腹部を15センチぐらい切って胆石を胆嚢と一緒に摘出していましたが、現在は腹腔鏡という細いカメラをお腹に入れて行う手術が中心となったため、1センチぐらいの傷と5ミリぐらいの傷の計4ヶ所の小さな傷で終わるようになりました。
それに伴い、手術後の傷の痛みも以前と比べて少なくなったため、手術の翌日から歩けたり、水分や食事を摂ることが以前よりも早い時期にできるようになり、退院までの日数も早い人では術後3~4日と入院日数も短くなってきています。
当院でも、このような腹腔鏡を用いた手術を積極的に行っております。ただし、胆嚢の炎症がひどい方や以前に上腹部の手術を受けて癒着(お腹の中が異常にくっついた状態)のある方は腹腔鏡手術ができないこともあります。胆石でお悩みの方はお気軽にご相談ください。



