わかりやすい脳梗塞の話1-公立長生病院

公立長生病院脳神経外科主任部長、リハビリテーション科長
山武・長生・夷隅地域リハビリテーション広域支援センター長 野本和宏


公立長生病院は、千葉県よりリハビリテーション広域支援センター事業を委託され、山武・長生・夷隅地域リハビリテーション広域支援センターを設置しております。他のリハビリテーション施設と連携し、お互いのレベルアップのための研修会や地域住民の皆様を対象にした講演会を開催しております。その業務の一つとして、平成22年11月14日、茂原市役所市民室で講演会を開催しました。千葉県リハビリテーションセンター、さんむ医療センター、山之内病院のリハビリテーションスタッフの皆様にも協力して頂きました。
私は、社団法人日本脳卒中協会(JSA)の資料をもとに、基調講演として脳卒中の半分以上を占める脳梗塞について講演をしました。この場をお借りし、講演会で協力して頂きました、千葉県リハビリテーションセンター、さんむ医療センター、山之内病院のリハビリテーションスタッフの皆様、社団法人日本脳卒中協会に感謝を申し上げます。
今回は紙面の都合上、全てを紹介できませんので、一部を紹介します。

脳梗塞とは
脳梗塞は脳の血管がつまる病気です。一方、脳出血、クモ膜下出血は脳の血管が破れる病気です。脳梗塞には、脳内外の大きな血管が閉塞するアテローム血栓性脳梗塞、脳内の細い動脈が閉塞するラクナ梗塞、心臓病が原因の心原性脳塞栓症(心臓内でできた血栓が詰まる)の3つのタイプがあります。
一過性脳虚血発作(TIA)
脳梗塞と同様の症状が短時間(通常は10分以内)続いて、自然に消失します。脳梗塞の前兆であるTIAを起こすと、3ヵ月以内に10〜15%が脳梗塞を発症しますが、その半数が48時間以内です。一過性脳虚血発作(TIA)の時は、症状がよくなったからといって放置してはいけません。
失神
一過性脳虚血発作(TIA)と間違えやすいものとして失神があり、注意が必要です。一過性脳虚血発作は、一過性に脳局所の神経症候がみられるものです(脳局所の一過性虚血) 。失神は、一過性の意識消失のために姿勢が保持できなくなりますが、自然に回復します(脳全体の一過性低灌流)。
失神の一番多い原因は神経調節性失神で、次は不整脈です。
失神ではまず、死亡リスクの高い心疾患を否定する必要があります。放置すると、突然死が起こることがあります(虚血性心疾患、WPW症候群、QT延長症候群、Brugada症候群、完全房室ブロック、心室頻拍、心室細動、心筋症など)
高齢者では多薬剤内服、起立性低血圧、頸動脈洞過敏、自律神経障害(パーキンソン病など)、食後低血圧、排尿失神などで起こりやすいとされています。
脳や頸部血管の狭窄病変などで失神は起こりえますが、通常は神経症候を伴います。血管の狭窄病変で失神が起こることは多くありません。
原因不明の失神は、まず循環器内科を受診することが重要です。